海の仲間を守れ。若き起業家の挑戦――「よびもり」ってどんな会社?事業開発人材を募集中!
- 2025-07-03
- michimichi編集部

こんにちは。網走育ちでオホーツク海で海水浴をした思い出がほとんどない、ミチミチ編集部員のゆうじろうです。
まったく泳げないので、海だと足がつかない深さは溺れちゃうので、ちょっと怖いな…というイメージがあります。
と、そんな話はどうでもよくて、今回のゲストはテクノロジーの力で海難事故をなくすことを目指しているスタートアップ企業のCEOです。
「よびもり」というサービスを展開しているんですが、みなさんご存知ですか?
北海道内ではかなり有名ですが、知らなかったという方も全く問題なし。どんな事業なのかもじっくり聞きますのでご安心ください。

SOSの海上インフラを目指す札幌のスタートアップ
「もしものとき、一番近くの仲間が助けに来てくれる」ーーそれを海で実現することを目指してつくられたSOSのネットワークが、「よびもり」。九州や北海道・知床などで導入が進み、今や地域の“海上インフラ”として根付きつつあります。
海上事故の一次対応ネットワークサービスである「よびもり」を展開するのは、その名も「株式会社よびもり」とのこと。
2022年に発生した知床の海難事故後に安全対策の一環として…という文脈で北海道のメディアに登場することが増え、よびもりを紹介するニュースを数多くお見かけしていました。
そんな株式会社よびもりで、現在人材募集をしているとのことでしたので、CEOの千葉佳祐さんにいろいろお話をお聞きしちゃいました。

きっかけは、漁師だった祖父の死
「僕は学生起業だったんですけど、事業を考えるにあたって、おじいちゃんが知床の羅臼で漁師やっていて船の転覆事故で亡くなったという経緯があります。僕が生まれる前の話ですが」
千葉さんの出身地は、オホーツクの紋別。身近な存在として海の厳しさと、それでも海で生きていく人々の姿を見て育ちました。
「そういう話(海難事故)をずっと聞いていましたし、紋別も漁師マチなので、(海難事故で家族を亡くした経験は)別にうちだけじゃない。よくある話なので……」
こうした実体験をもとに、「海で命を守るしくみを届けたい」との思いでスタートしたのが、“よびもり”です。
“よびもり”とは?


よびもりは、海難事故時にSOS発信端末とスマホアプリを通じて、同じ漁協組合内の漁師や近隣で操業中の船に救助要請ができるシステムです。


常時携行している端末のボタンを長押しすることで、よびもりのサーバーを経由し、近隣の漁船・観光船・関係者のスマートフォンへ位置情報付きの通知が届きます。

このしくみにより、これまで最大12時間以上かかっていた救助を開始するまでの時間を、とにかく早くすることができる、という考えです。
「Jアラートみたいなイメージですね。合図音が鳴って近くで事故があるかもしれませんみたいな通知が来て地図上に表示されるって感じです」

「海の上でトラブルがあった際にこの端末を発動すると、海保とかそういう公的機関より、一番近いところにいる船とか仲間同士で最初の1次対応を開始するためのサービスです」
地域に広がる“命のネットワーク”
よびもりのサービスは、創業地だった九州で導入が進んでいますが、北海道でも知床・羅臼などで浸透し始めています。
漁師だけでなく、観光船や作業船を運航する事業者が導入している例が出てきたほか、自治体と協定を結んで、地域全体で「誰でもSOSを送れ、誰でも近隣からレスポンスできる」インフラが形作られはじめています。
「自治体も含めて協定を結んでいるので、漁師とかだけとかじゃなくて、そのエリアで誰が事故にあっても、お互い受け取れる救助インフラみたいなものがエリアでできてきている」
「裁量しかない」スタートアップのリアル
そんなよびもりですが、会社としての「株式会社よびもり」は現在、数名のチームで運営中。いま力を入れているのが「営業・事業開発」の人材募集です。

「メインはやっぱり営業ですね。営業というか、最近だったら事業開発とかいう言葉もありますけど、ビジネスを作っていく人、売り上げを作りながら……という、そういう方を北海道、札幌で見つけたいです」
ポジションの魅力は任せられる範囲が広いこと。
「裁量しかないし、別に僕に聞かないでやってみてくれって感じ。状況としては裁量しかないですね(笑)。
スタートアップなので、誰もそれが正解かわからないという世界観。これが良さそうだという説はあるけど、それが正しいかはわからない。
営業の仕方なり開拓の仕方なり、色々実験して『これがベストだ』を作ってほしい」
求めるのは「覚悟ある人」
「営業経験、ビジネス経験はあってほしいですが、経験業界は問わないです。
今いるメンバーも水産・海系の経験があったわけじゃないので、全然大丈夫です」
一方で、望ましい経験として千葉さんは「to B」を挙げました。
「建設業などの大企業がお客様にいらっしゃるので、《the to B》みたいなエンタープライズな営業経験があるとチームとしてはバランスがいいですね」
スタートアップで働く上で必要なことを尋ねると…。
「覚悟がある人ですね。ちょっと曖昧ですけど、チームの一人の影響ってめちゃめちゃ大きいわけですよ。1つのミスで、会社の業績が落ちるかもしれないし、逆にその人が取れた1つの案件が会社を救うかもしれない。
そういう影響度の中で、絶対逃げも隠れもできない状況でやっていく。
そこにワクワクできる方だったらすごくいいと思います」