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人と会社をつなぐ“おせっかい力”―自社ビルに込めた想いと、保険ステーションの働き方―

  • 2025-09-10
  • michimichi編集部
人と会社をつなぐ「おせっかい力」とチームで動く強み / 保険ステーション 代表取締役・中田 勝

札幌から国道5号を車で約1時間。小樽の入り口、朝里を少し越えた場所に、瀟洒な建物が佇んでいる。
今回の取材先、株式会社保険ステーションの本社だ。


保険ステーション・社屋の様子

保険代理店と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。

契約、営業成績、インセンティブ…。しかし株式会社保険ステーションのオフィスに足を踏み入れた瞬間、その固定観念は覆される。
カフェのように開放的な商談スペース、仲間と助け合うチーム文化、そして“おせっかい”を大切にする社風。そこには、地域に根ざしながら人と人をつなぎ続ける保険代理店の新しい姿があった。2025年に創業50年を迎えた保険代理店のお話。


保険ステーション 代表取締役・中田 勝の画像

自社ビルと働きやすさへのこだわり

保険ステーション 代表取締役・中田 勝の画像

笑顔で迎えてくれたのは、中田勝社長。話を聞くうちに、この建物が持つ意味が見えてきた。

「自宅兼事務所で営業している代理店も多い中で、私は“会社としての信用を築きたい。スタッフを雇用し、地域に根差した会社にしたい”と話し合ってきました。この自社ビルはその象徴です」


保険ステーション・オフィスの様子

信用は「場」から生まれる

「私や父が理想としたのは、“人についてくるお客様”ではなく、“会社についてくださるお客様”をつくること。そのために、しっかりした店構えが必要だと考えました。事務所に来ていただき、商談スペースに向かう途中で従業員が働いている姿が見えると、安心していただけると思うんです。だから建物には特別な想いがありますし、実は“札幌西区方面にも、更にもう一棟オフィスを所有したい”と思うほどなんですよ」



社員が帰りたくなるオフィス

オフィスづくりへのこだわりは、社員への思いにもつながっている。
「社員は一日の3分の1をここで過ごします。だから家と同じくらい居心地が良い場所であるべきだと考えています。建物や環境を整えるのは社長の役目。働きやすく、帰ってきやすい職場をつくりたいんです」


保険ステーション・オフィスの様子

チームで働くから、悩みも分け合える

保険ステーションのもう一つの特徴は「チームで動くこと」だ。

「僕自身、保険の仕事は、絶対に一人で仕事を続けられなかったと思います(笑)


保険ステーション・オフィスの様子

だから保険STのプリンシィプルベース(原理原則)は“チームワークと挑戦”。

課題を抱えたら一人で悩まず仲間に共有し、解決していく。契約に苦戦すれば誰かに同行してもらい、事務が苦手なら事務スタッフに助けてもらう。僕はみんなと一緒に働きたいんです」

どんな人材がここでは活躍できるのか?を尋ねると、中田社長は「素直さと向上心」と即答した。

「素直さとは、まず受け入れる姿勢。良し悪しの判断はその後でいい。すぐに『違う』と否定してしまう人はうちの社風には合わないと思います…

そして向上心。“もっと現状に満足せず、成長したい。上を目指したい、もっとお客様に喜んで頂きたい。”という気持ちがなければ務まりません」



採用は「まず雰囲気」を感じてから

「履歴書をいきなり持ってくる必要はありません。“まずは見学に来ませんか”というスタンスです。事務所の雰囲気を感じてもらい、その上で“面接を受けたい”と思えば履歴書を送っていただければいい。

また、興味があるなら当社のホームページを隅々まで見てきてほしい。その中から質問をします。しっかり見てきたかどうかで本気度はすぐに分かります」


保険ステーション・オフィスの様子
保険ステーション・オフィスの様子

「おせっかい」なくらいがちょうどいい

保険の仕事に必要な資質を尋ねると、中田社長は「おせっかいさ」と語る。

「保険は人のためにあるもの。だから“自分さえ良ければ”という人は向きません。助けたいという気持ちがなければ成り立たない。実際に成績が良く、お客様から信頼される人は、みんな“おせっかい”なんです。

専門性はもちろん重要ですが、人柄も大切。お客様が話しづらいことを自然に話せる関係性を築けるのは、肩の力が抜けた人柄ゆえだと思います」


保険ステーション 代表取締役・中田 勝の画像

アウトプットするから強くなれる

保険ステーションでは、毎朝Web朝礼を行い、前日の出来事を発表する。

「一人で仕事をしていると経験をアウトプットできません。当社では“なぜ契約が取れたのか”“どんなトラブルがあったのか”を共有します。そうすることで他の人も学べる。経験の広がりがチームの強みになります。

僕の口癖は“アウトプット”。インプットは2〜3割でいい。7〜8割はアウトプットです。自分の経験を話すことで頭の中も整理されます」



「人」でつくられる雰囲気

インタビューの後、営業スタッフ山口さんに撮影をお願いすると、少し照れながらも自然体で応じてくれた。


保険ステーション・営業スタッフの画像

山口さん「こんな感じで大丈夫ですかね…」
カメラマン「オッケーです!ありがとうございます!」


保険ステーション・営業スタッフの画像

その人懐っこい笑顔は、この会社の雰囲気を象徴しているようだった。
とにかく雰囲気のいい会社。

保険代理店という仕事に「契約」「高収入」「実力主義」といったイメージを抱く人もいるだろう。しかし、いざ保険を頼るときは病気や事故、トラブルなど、他人に言いづらいことを相談する場面だ。

「相談して大丈夫」―― 一人ひとりの人柄がにじみ出て、ふっと「ここでなら安心して話せそう」と思える空気。
それこそが保険ステーションの一番の魅力だ。
契約や数字の先にあるのは、人と人とのつながり。
この会社には、そのつながりをあたたかく育む場と人がそろっている。

※写真は一部提供